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2009/11/26 16:40
今日は、午前10時から渋谷駅から10分ほど歩いたケアコミュニティー・美竹の丘「しぶや」で開催された東京都小学校長会主催の人権教育Bブロック研究協議会に参加しました。この研究協議会は東京都を3ブロックに分けて行われていて、練馬区はBブロックに所属しています。今日の研究発表校は品川区の台場小学校と渋谷区の上原小学校、広尾小学校でした。
台場小学校は昭和62年から東京都の人権教育推進校の指定を受けて人権教育に取り組んでいる学校です。人権教育の中でも特に同和教育に力を入れて多くの実践研究を積み重ねてきています。今日は、毎年5年生で取り組んでいる市民科「食肉市場で働く人たち」という単元での実践を発表しました。品川区は独自に市民科という単元を設定しているそうで、台場小学校はこの単元に7時間設定し、近くにある中央卸売市場食肉市場を見学したり、そこで働く人の話を聞いたりして、食肉市場で働く人達が受けている差別や偏見について学習しているそうです。
私自身同和問題を初めて意識したのは、高校時代に住井すゑさん原作の小説を映画化した「橋のない川」を見てからでした。その時「部落」という言葉が単なる集落を意味するのではなく、差別を受けている人達が住んでいる地域を指す用語であり、日本全国至るところに存在するということも知りました。また、法律では国民皆平等であり、基本的人権を保証されているにもかかわらず、差別を受けている現実があり、現在に至っても解消していないということも頭の中では理解しているつもりでした。しかし、現実に築地にある東京中央卸売市場にまで差別が存在するとは思ってもいませんでした。それだけに、この同和問題の根深さと難しさを改めて実感しました。同一民族でさえ差別があるのですから、人種による差別はなくならないのは尤もで、戦争同様人類永遠の課題かもしれません。
次に、渋谷区の発表は区教育委員会が掲げている「差別や偏見をなくす」という人権教育の基本方針の下に、各学校が取り組んでいる事例を発表しました。上原小学校では全体計画の他に、学年毎に人権教育の年間指導計画を作成して全教科、領域を通して人権教育を行っているそうです。また、広尾小学校では、東京都教育委員会の人権尊重教育推進校の指定を受け、隣接する広尾幼稚園と共同で、幼小8年間を通した人権教育プランを作成しています。また、法務省の人権擁護局が都道府県単位で行っている人権メッセージ発表会を校内で行ったり、人権標語や人権の花活動にも毎年取り組んでいるそうです。具体的な授業実践では、6年の道徳の授業で「相手の痛みを感じる心」を主題に、路上生活者の人権について考えさせる事例を発表しました。
路上生活者に対する差別・偏見というと、10年以上前に起きた東村山市の中学生による路上生活者に対する暴行殺人事件を思い出します。それ以後も暴行や差別事件は毎年のように報告されています。また、1981年にマザーテレサが初めて日本に来日したとき、路上生活者にやさしく手をさしのべ、励ましの言葉をかけたことや、周囲の人に「なぜ、あなた方はこの人を救ってあげないのですか。」と言われたという記事を思い出します。路上生活をしている人達は、怠けているのでも自ら望んでいるわけでもなく、仕事をしたくても雇用されずに無収入となったために路上生活を余儀なくされている人が殆どです。見方を変えると、雇用から見放された現代社会の被害者とも言えます。法律に反することをしたり、犯罪を犯したわけでもないのですから、その人達が差別を受ける理由は何もありません。しかし、今も路上生活者は増え続け、差別も偏見もなくならない現実を見て、人間の業の深さを思い知らされます。
同和問題も路上生活者、外国人に対する差別も根源は同じところにあるように思います。そして、人権教育が果たしてどこまで解決に役立つのか考えると無力感さえ感じますが、そこから逃げることは許されません。私も校長として、教員や子供達に指導するだけでなく、自分で実践できることを探していきたいと思いました。
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